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「はぁ~…なんでもない…それより急ぐぞ。クラスわけの紙、見れなくなる」
いまだ抱き着いていた忠好を引っぺがし校門を潜る。
広い…広い校庭…
この学校にあのコはいるのかな…
俺の初恋の…
「あっ…」
いた…
あれだ…
桜の木の下、まるで猫の様に包まり眠っている一人の女の子。
俺はついて来ている忠好なんかほっといてそちらに釣られたかの様に歩み寄る。
「やっぱり…」
いた…
ゆっくりと目を擦り女の子は僕を見つめる。
「あっ…ゆうくん…だぁ~…」
かばりと抱き着いてきた女の子は小柄で抱き着かれているのに軽くて、少し心配になるぐらいだった。
「ここにいたんだね?美弥」
「うん…みや…待ってたんだよ?」
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