Restoration 0 ― 雨の記憶 ―

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. 「怪物………来るの?」  クルクルと変わる表情に、思わずヤスナリが笑う。 「『もしも来たら』って事だよ。大丈夫、ツカサが居れば来ないさ」  金の瞳を横へ逸らせ少し考える。  それからツカサは口を開いた。 「父ちゃん、早く帰ってきてね」 「ああ、すぐ帰るよ」 「俺、待ってるから」 「ああ、母ちゃんを頼んだぞ。―― それじゃあ、捜しに行ってくるよ」  ツカサに答えると、ヤスナリはツキカの肩を抱いて短いキスをした。  玄関の扉を開け、今にも降りだしそうな曇天の下へ出て行く。 「気をつけてね、ヤス」 「父ちゃん、いってらっしゃい!」  元気に手を振るツカサの前で、その扉はパタンと閉まった。 ― ★ ― .
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