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ツキカ・ニース・クラヴィス。
以前はギルドに所属していた彼女は、美しく優しい女性。
非常に強い魔力を持っているが、病弱なため、結婚してからは仕事を辞めていた。
「怪我しなかった?」
金の双眸にツカサを映し込み、微笑む。
ツカサは顔を上げた途端、顔をくしゃくしゃにした。
「うぅっ……痛いぃぃぃぃ……母ちゃん、痛いよぉおぉぉ……」
大きな目に溜まった涙がポロポロと零れ落ちる。
少しもじっとしている事の無いツカサは、小さな怪我は日常茶飯事だ。
その度に大泣きして、両親に心配を掛ける。
しかし人よりも傷の治りが早いためその痛みも直ぐに忘れてしまい、また怪我をする。
そんな事の繰り返しだった。
まあ怪我といっても身が軽いため、大した怪我はしないのだが。
ツキカはツカサを抱き上げ、ソファーへ腰を下ろした。
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