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「っんあー…」 屋上にきて寝っ転がり体全体で伸びをする 「気持ちい…」 久しぶりに自分の声を聞いた気がした 家にいても親とも会話することはないしもちろん学校でも誰とも会話することはない まぁ時々先生と話すことはあるけど なんか自分の声なのに自分の声じゃないみたい 「変な感じ…」 そうつぶやいて目を閉じた 「なにが?」 え? ここには俺しかいないはずなのに他の人の声と気配 そーっと目を開ける 「あ、起きた。ねぇ、なにが変な感じなの?」 目の前には1人の男子生徒 黒髪の短髪でツンツンに立てていて女の子にモテそうな顔立ち いきなり話しかけられたけどこんな人俺は知らない 「…誰?」 上履きの色をみる限り同い年なんだろうけど見たことないし 「俺?俺は…しげ」 「しげ?」 「そう、しげ」 「ふーん」 「お前は?」 「……言う必要ないよ」 「なんだよそれ、意味わかんねー」 「うん」 「うんじゃなくて名前教えてよ」 「………」 「言いたくないの?」 違うよ “言いたくない”わけじゃないんだ “言うのが怖いんだ” .
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