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翌日、また私はこの席で夢を見た。
場所は屋上、目の前には、川瀬 空史と名乗る男。
昨日見た夢と全く同じだ…
「また来てくれたんだ‥昨日の続きね?じゃあ、まず名前教えてよ」
どうやら昨日とまったく同じではないらしい‥驚く事に、この夢は進んでいるのだ。
起きた時点でこの夢の時は止まり、またこの席で寝る事で、時が進む。
やはりこの机は不思議だ…
「名前?私は中川 愛梨(なかがわ あいり)…」
「中川愛梨…可愛い名前だね?彼氏とかいるの?」
私は驚いた。この年頃だ、異性についてはなかなか敏感なのだ。
「な、なによ!夢の住人のくせにそんな事聞かないでよ!」
「夢の住人か‥そうだよね、僕は所詮夢の中の人物…君の夢の登場人物にすぎないんだ…」
何故かこの時、申し訳ない気持ちになった。
彼を傷つけてしまったのではないか‥彼の辛い過去を…
ってこれは夢だ…たかが夢だ。
そんな事分かってる、でもやっぱり聞かずにはいられなかった。
「あなた‥本当に私の夢の中の人物なの?余りにもリアルで‥」
「気味悪い?」
「い、いやそんな事は無いわよ…ただ‥」
「ただ?」
「不思議‥もうこれは夢なのかどうか、それすら分からないの‥」
2人の間に気まずい空気が流れた。
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