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「奥様の旦那様が、ジェラルド様だからです」
わけが分からない。確かに持っている雰囲気は全く違うが。
「何か宣言されたりしませんでしたか?」
そう言われて思い出すのはプロポーズの言葉。
――君は僕を愛するよ。そして僕は君を愛し、幸せにする。必ずね
「宣言、されたわ」
「あの方はご自分で決めたことをなかなか覆されません。内容にもよりますが、覚悟しておいたほうがいいですよ」
まさか、と思うがあの時の言葉は自信にあふれていた。だからこそレティシアはプロポーズにイエスと返事をしたのだ。
「テレーズさん、レティシア様が戸惑ってらっしゃいますから……」
控えめにイレーヌが助け船を出した。
「私としたことが、とんだご無礼を。申し訳ありません」
「気にしないで、ありがとう。なんて返したらいいかわからないけど、頑張るわ」
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