捨てられた花嫁(5)

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「奥様の旦那様が、ジェラルド様だからです」  わけが分からない。確かに持っている雰囲気は全く違うが。 「何か宣言されたりしませんでしたか?」  そう言われて思い出すのはプロポーズの言葉。  ――君は僕を愛するよ。そして僕は君を愛し、幸せにする。必ずね 「宣言、されたわ」 「あの方はご自分で決めたことをなかなか覆されません。内容にもよりますが、覚悟しておいたほうがいいですよ」  まさか、と思うがあの時の言葉は自信にあふれていた。だからこそレティシアはプロポーズにイエスと返事をしたのだ。 「テレーズさん、レティシア様が戸惑ってらっしゃいますから……」  控えめにイレーヌが助け船を出した。 「私としたことが、とんだご無礼を。申し訳ありません」 「気にしないで、ありがとう。なんて返したらいいかわからないけど、頑張るわ」
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