黒白のメヌエット(1)

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 エレインによると、王位継承のことでの話し合いらしい。  時期王位継承者は、第一王子であるジェラルドの兄のセオドアと、第二王子のジェラルド。そして駈け落ちをしてしまった第三王子のアルフォンスだ。うち、セオドアとジェラルドは現国王の最初の妻の間に生まれたのだが、アルフォンスだけは妾腹だ。その妾も現在は正妃となっている。  継承には、母親の出自から始まり、結婚相手の後ろ盾の大きさが強く影響するのだ。  セオドアとジェラルドの母親は、バルフォア国内の三大公爵の一家が生家。しかし、アルフォンスの母親は隣国コペルティーニの四の姫だった。  娶った相手は、セオドアはやはり国内の公爵家からエレインを妻に向かえた。本来ならば、アルフォンスがレティシアと結婚することで海外からの後ろ盾を強めるはずだったのだが、肝心のアルフォンスが駆け落ち。ジェラルドがレティシアを娶り、後ろ盾が彼に移動した。  当然、国同士の約束を反故にしたアルフォンスは王位継承なんてもってのほかだ。  しかし、ここからがレティシアに降りかかってくる問題。
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