黒白のメヌエット(1)

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 それくらいにしてやれ、とセオドアは言うが、ジェラルドのクスクス笑いは止まらない。 「茶番はすんだか?」  苛立ちとあきれを含んだ声。その発生源に三人は顔を向けた。 「何度も言わせないでくれるとありがたいですね、父上。僕は継ぎません。アルフォンスも今回のことで無理でしょう。兄上でいいじゃないですか」 「おまえな」  スッパリバッサリ。  まさにその言葉がふさわしいかのように彼は言い切る。セオドアはあきれ返った声を再び上げた。 「そこで、だ」  父の言葉には続きがあった。 「ジェラルド、おまえにはブラックウッド公爵家を継いでもらう」 「ああ、いいですよ」  あっさりと答えて、あえて挑発的に微笑んでやった。
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