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それくらいにしてやれ、とセオドアは言うが、ジェラルドのクスクス笑いは止まらない。
「茶番はすんだか?」
苛立ちとあきれを含んだ声。その発生源に三人は顔を向けた。
「何度も言わせないでくれるとありがたいですね、父上。僕は継ぎません。アルフォンスも今回のことで無理でしょう。兄上でいいじゃないですか」
「おまえな」
スッパリバッサリ。
まさにその言葉がふさわしいかのように彼は言い切る。セオドアはあきれ返った声を再び上げた。
「そこで、だ」
父の言葉には続きがあった。
「ジェラルド、おまえにはブラックウッド公爵家を継いでもらう」
「ああ、いいですよ」
あっさりと答えて、あえて挑発的に微笑んでやった。
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