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―――朝。
俺が目を覚ますと、
隣には無防備なまでにスヤスヤ寝息をたてて眠る、
――……お姫様がいた。
ピンクベージュの
クルクル縦ロール。
キラキラのラメマスカラ。
ツヤツヤのグロス。
オフホワイトの
ふわふわベビードール。
その姿は、
完璧なるゴシックドール。
「………ぅ、ん」
鼻に抜けるような声。
セクシーにチラリとはだけて見えるのは…………シックスパック。
「はぁぁぁああ」
欠伸の変わりに
深ーーい溜め息を一発。
「…おはよ、スズ」
コロンと横に寝返って、お姫様が俺に向く。
「てめぇ、なんでここにいる」
「んー…?だって鍵開いてたからぁ」
「そうか。よし。警察に行こうな」
「朝からつまんないジョーダン飛ばすなよ~」
「不法侵入だ。変態」
「変態じゃないしー」
……どこが?
知らない奴が見たら確かに俺が彼女を連れ込んだ、そう見えるのかもしれない。
それくらい、
コイツは
デキ上がってる。
それは、……認める。
「起きろ、龍児(リュウジ)」
「もう朝かー。めんどー」
俺たちはデキてない。
ソッチの人種では決してない。
コイツも俗に言う、
おネエ、ではない。
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