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ーー……
不気味な森の奥にこれまた不気味な洋館がある……。
土砂降りの雨に稲光が見える。
時折、蝙蝠がギャアギャアと煩く鳴く。
それがより一層洋館の不気味さを醸し出している。
……ーー
「クックックッ……。
笑いが止まらないね。
実に面白い。」
男は稲光がする外を見ながら不敵に笑っている。
この男は変わった格好をしている。
すらりとした長身に、黒ずくめの服に黒いマント。
頭にはシルクハットをかぶり、顔はピエロのような仮面で素顔を隠してる。
「ギャギャギャ!」
男の横で大きな目玉だけの生物が、宙に浮きけたたましく鳴いた。
「あぁ、そうだったね。
次の『王様』を選ばなくてはね。」
男は目玉だけの生物を撫でた。
「王様だ~れだ!」
男が叫ぶと、目玉が光り壁をスクリーンがわりにし映像を映し出した。
映像には二人の青年が映し出され、顔の下には青年達のプロフィールが出された。
「おやおや?
今回は『王様』は二人か……。
こりゃ、初めてのパターンだな。
映像にきちんと残してくれよ。」
男は嬉しそうに言う。
「ギャッ!」
男の言葉に目玉は頷いて答える。
「彼等も気の毒だ。
まだ若いのに……。」
映像に触れ男は呟くようにして言った。
「ギャギャギャ、ギャギャ。」
男の呟きに反応するように、目玉は何か言っている。
「まぁ、そうだな。
GAMEをCLEARすれば問題ない話だな。
CLEARすれば……だがな。
クックックッ……。」
目玉の言ってる事がわかったのか、男は答えている。
そして、男は不気味に笑いながら目玉と共に洋館を後にした……。
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