王様・GAME。

3/8
前へ
/42ページ
次へ
ーー…… 雨は上がり、すっかり晴れている。 ……ーー 「あー実に暇だ! 暇!」 家の中で大の字になって寝転がりすねている青年がいる。 彼の名前は鏑木 智(かぶらぎ さとし)。 金髪で中肉中背で童顔の大学生。 「……てめぇがナンパに失敗するからだろうが。」 寝転がる智を足で突きながら文句を言う青年の名前は春日 涼(かすが りょう)。 痩せ型で長身で怖い顔である。 二人共、お世辞にもイケメンとは言えない感じである。 「あー、そうやってすぐに人のせいにするかな?」 足で突かれ、智はイラッとした。 起き上がり、智は何かを思い出したかのように鞄の中を触り始めた。 「野郎二人でいてもむさいだけだな。」 鞄を触ってる智を指で突いて、涼はからかった。 「はいはい。 おや?」 鞄の中を触っていた智は手を止めた。 「どうかしたか?」 智の様子が変わったのに気づいた涼は、智の鞄を覗きこんだ。 「いやね、バックから携帯だそうとしたらさコレ入ってたさ。」 智は鞄の中から一枚のDVDをだした。 「エロビか?」 智からDVDを取り上げ、涼はジロジロと見た。 「いや、最近借りた記憶ねぇし。 ……ってオイ。」 涼にツッコミをいれながら、智はDVDを取りかえした。 「何か面白そうじゃん。 見てみようぜ。」 好奇心旺盛な涼はDVDに興味を示している。 「おう。」 不安ながらも智はDVDをセットした。 「初めましてようこそ。 私の名前は『KING』だ。 今から『逆王様・GAME』を紹介する。」 暫くするとDVDが起動し、映像が映し出された。 映像の中には、あの黒マントの男が映っている。 「……何のDVDだよ? 何か気持ち悪いな。」 涼はテレビに映っているマントの男・KINGを見て眉間にシワを寄せた。 「知らないし。 いつの間にかあったんだからな。 しかし、『逆王様・GAME』って意味わかんないな。」 DVDの内容に対し智は不信感を抱いていた。 暫くすると画面が切り替わり、テロップのみ出てきた。
/42ページ

最初のコメントを投稿しよう!

13人が本棚に入れています
本棚に追加