王様・GAME。

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【ルール】 ・先ずは王様を決めます。 ・王様が決まったらみんなが王様に命令します。 ・王様は何が何でも命令を聞かなくてはいけません。 ・命令を無視するときっと後悔します。 「以上がルールだ。 どうだ? 簡単だろう? 王様が逆に命令される。 これは王様が何処まで堪えれるかもポイントだ。」 テロップが終わると、また画面が切り替わりKINGが映し出された。 「どんだけ王様はマゾなんだ?」 ここまで見終わった智はさりげなくツッコミを入れた。 「それはそれで面白いかもな。」 どうやら『王様』と『KING』という男に、涼は興味を持っているようである。 「では実戦だ。 GAMESTART。」 画面の中のKINGはそう言い放つと画面からスッと消えた。 「実戦?」 KINGの言葉に興味津々の涼は正座をし、画面に釘付けである。 「どうせフィクションさ。」 涼とは反対に智は興味がないのかゴロンと横になった。 横になりながらも、智は画面を見ていた。 智は何となく、画面から目を離してはいけないように思えていた。 【実戦編】 画面はとある一軒家を映し出した。 ピンポーン。 「はぁ~い。」 家のチャイムが鳴り、一人の女性が返事をした。 肩まである黒髪の女性は、15歳くらいだろうか。 大人びてるがどことなく、子供のあどけなさが残っている。 「どうもこんにちわ。」 女性の前にKINGが現れた。 「あなたは!」 KINGを見た女性は、反射的に一歩後退した。 「私はあなたがみたDVDにでていた『KING』だ。 あなたはDVDをみた時点で、このゲームの『王様』に選ばれた。」 説明臭くKINGは言う。 「……馬鹿馬鹿しい。」 女性は頭をボリボリかいた。 「あなたに拒否権はない。 これからあなたは王様。 参加者はこの星の生命体全部。 命令は絶対だ。 では、健闘を祈る。」 そう言うとKINGは、黒いマントを翻し去って行った。 「……気持ち悪い。 気分転換しよう。」 明らかに不機嫌な顔した女性はそのまま外へ出た。
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