一枚目~幻想に触れる者

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―(店名募集中)― 毎回思うんだけど、よくこれで店が経ったな これも触れちゃいけないことなのかな? オレは別にいいんだけどさ 裕「入んねぇのか?」 結「いえ、入りますよ」 オレと藤宮さんは、カランカランと軽快な音をたてて開いた扉を通り、店の中に入った 店「お?坊主に嬢ちゃんじゃないか。いらっしゃい」 入ってすぐに声をかけたてきたのは店長と呼ばれている人で、本名不明に年齢不詳と胡散臭い人だ どこから来たのかも教えてくれない 藤宮さんと霧咲さんは知ってるみたいだったけど… 裕「そんで、何か新しいもん入ったか?」 店「いや、特になしだ」 挨拶のように行われるこの会話 二人の間に何があるのかは知らないけど、向こうが話してくれるまでは首を突っ込まない方がいいだろう 店「てか坊主。お前、向こうには顔を出してんのか?」 裕「たまにな。流石にいつもってのは無理だ」 向こうには?いったいどこのことを指してるんだろう 気にはなる 気にはなるけど、ここは我慢を… ?「はぁい、二人とも。元気にしてたかしら?」 さっきまで誰もいなかった場所に、一人の女性が立っていた 特徴的な帽子をかぶって長い金髪を結い、白いヒラヒラとした服を着て、の上に陰陽玉のような絵が描かれている布?をつけている 片手には日傘を持っていると、この店にはちょっと合わないような格好だ 誰だこの人? 裕「紫さんじゃないか。どうしたんだ?」 紫「ただの暇潰しよ。それと…」 紫と呼ばれた人は、チラッとオレの方を見た よくわらないけど、この人を見ていると無性に… 結「ッラァッッ!」 裕「結香ちゃん!」 あれ、何でオレはこの人に殴りかかってるんだ…? マズイ、当た… 紫という人に当たる寸前でオレの拳は止まった そう、止まったんだ オレが止めたわけじゃないのに 店「何やってんだ、嬢ちゃんよ」 その声に振り返ると、店長はまるでボールでも持つかのように空中を掴んでいた その掴んでいる手を押すと、オレの体は前から押されたように後ろによろめいた いったい何が起こってるんだ?
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