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―(店名募集中)―
毎回思うんだけど、よくこれで店が経ったな
これも触れちゃいけないことなのかな?
オレは別にいいんだけどさ
裕「入んねぇのか?」
結「いえ、入りますよ」
オレと藤宮さんは、カランカランと軽快な音をたてて開いた扉を通り、店の中に入った
店「お?坊主に嬢ちゃんじゃないか。いらっしゃい」
入ってすぐに声をかけたてきたのは店長と呼ばれている人で、本名不明に年齢不詳と胡散臭い人だ
どこから来たのかも教えてくれない
藤宮さんと霧咲さんは知ってるみたいだったけど…
裕「そんで、何か新しいもん入ったか?」
店「いや、特になしだ」
挨拶のように行われるこの会話
二人の間に何があるのかは知らないけど、向こうが話してくれるまでは首を突っ込まない方がいいだろう
店「てか坊主。お前、向こうには顔を出してんのか?」
裕「たまにな。流石にいつもってのは無理だ」
向こうには?いったいどこのことを指してるんだろう
気にはなる
気にはなるけど、ここは我慢を…
?「はぁい、二人とも。元気にしてたかしら?」
さっきまで誰もいなかった場所に、一人の女性が立っていた
特徴的な帽子をかぶって長い金髪を結い、白いヒラヒラとした服を着て、の上に陰陽玉のような絵が描かれている布?をつけている
片手には日傘を持っていると、この店にはちょっと合わないような格好だ
誰だこの人?
裕「紫さんじゃないか。どうしたんだ?」
紫「ただの暇潰しよ。それと…」
紫と呼ばれた人は、チラッとオレの方を見た
よくわらないけど、この人を見ていると無性に…
結「ッラァッッ!」
裕「結香ちゃん!」
あれ、何でオレはこの人に殴りかかってるんだ…?
マズイ、当た…
紫という人に当たる寸前でオレの拳は止まった
そう、止まったんだ
オレが止めたわけじゃないのに
店「何やってんだ、嬢ちゃんよ」
その声に振り返ると、店長はまるでボールでも持つかのように空中を掴んでいた
その掴んでいる手を押すと、オレの体は前から押されたように後ろによろめいた
いったい何が起こってるんだ?
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