月と蛇

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ジッと睨む俺へ、クレイーヴァはグイっと顔を近づけてきた。 殴りつけたくなるぐらい、イヤらしい笑みを浮かべている。 「なぁ、良いのか? 要求に応じねえなら、捕虜はぶっ殺すしかねぇぞ?」 クレイーヴァはいつも、凄みを効かせる事も無く落ち着いた声でサラリと言う。 それが恐怖心を煽るんだ。 でも大丈夫。 今に皆が来てくれる。 こんな茶番も終わる。 そういう夢なんだ。 そっぽを向く俺の顔に、クレイーヴァが唾を吐き捨てた。
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