月と蛇

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汚ったねえ!! 慌てて唾を拭い顔を上げると、怒りに顔を歪めたクレイーウ゛ァがそこに居た。 「簡単にスルーしやがって.. 俺を誰だと思ってる!?」 あぁ、見慣れた顔だなコレも.. 何だろう? いつもより茶番が長い気がする。 じれったい。 クレイーウ゛ァの黄色い瞳が赤黒く変色し,怪しく光始めた。 薄暗い空間で赤く爛々と強く光るその瞳はルビーのようだった。 怒りに燃え狂う姿さえ美しいなんて... 見つめる程吸い込まれるような気がした。 気がつけば俺の体は陶器の様に冷え固まり,身動きがとれなくなっていた。
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