始まりとライバル

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 「わが輩は萌えもんである。名前はまだない。今のご主人とは旅の最初のパートナーとして研究所で出会った」  「誰に話してるんだ?」  少し先を歩いていた青年がこっちを振り向く。  この方が私のご主人。萌えもんマスターを目指してマサラタウンを旅立った新人トレーナー。  「いや、別に」  「そうか」  少々口数は少ないけど、優しくて良い人だ。  「後、名前ならあるじゃないか『あああああ』って」  前言撤回。優しくない。  「酷くないですか? 名前じゃないですよ、そんなの」  「じいさんが何でも良いって言ってただろ」  「何でも良くないのですっ」  じいさんってのはオーキド博士の事。萌えもんの研究をしている人で、新人トレーナー育成の為という事で私をご主人に引き合わせたのもその人。  博士は、ニックネームみたいなものだから気軽につけると良いよ。とか言ってたら、ご主人は何を思ったのか今の名前を付けた。  もっと可愛い名前とかが良かったのになー。  
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