Step 10

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「おはよ」 起きてきた圭は元気が無かった。 足取りは酷く重く、泣いた様にも見える。 「お早う、どした?」 眠れなかったりイライラしたり落ち込んでいたり。 <駄目な時>の定番、万能ホットミルクを用意しながら聞いてみる。 すると圭は、見た目以上に<駄目>だったらしく、カップにミルクを注いでいる俺の背中にペタッと貼り付いてきた。 ……本当に泣いた? 「夢……」 「ん? 怖い夢でも見た?」 体の向きを変え、シンクに寄り掛かって圭を緩く腕に囲う。 俯けている顔を、首を傾けて覗くと、伏せられた瞼を縁取るプラチナブロンドの睫毛は濡れ、頬には涙の跡があった。 やっぱ泣いたのか……。 瞼に軽く唇を押し当て、肩と腰に回した腕に僅かに力を入れてそっと抱き締める。 肩に顎を乗せてきた圭の頭を、いつもの様にポンポンと叩いた。
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