Step 1

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入学してもう直ぐ2週間。 思えば、倉木が誰かと一緒に居る姿を一度も見た覚えが無い。 今の様に人気の少ない場所で見掛けるか、追い掛け回されているかのどちらかだった気がする。 常に見張られ、追い掛けられ、カメラに狙われる、アイドル顔負けのプライベートの無い生活。 「男子には妬まれ、女子には追い掛け回され……か。イケメンも大変だな。俺もイケメンだけど、ぷっ」 自分の台詞に、思わず小さく吹き出した。 大人しい印象の倉木は、俺からすれば要領が悪い。 女に追い掛け回されたくないのなら、もっと頭を使えばいいのだ。 そう、俺みたいに――。 「つってもアイツ、髪の色も目の色も普通じゃねーしなぁ……。日本人が弱いって言われる金髪碧眼ではねーけど、それより悪い気がするわ。気の毒に・・・・」 そうは思っても、所詮は他人事。 まぁ頑張れ、と思いながら雑誌を捲る。 けど――。
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