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「はぁ……これからどうしよ……」
おいおいおい。
まだ9時前じゃないか。
ていうか、コイツ溜め息吐き過ぎだろ。
溜め息吐いた分だけ幸せが逃げるって、誰か教えてくれなかったのか?
しゃーねぇ。
少し相手してやっか。
雑誌を傍らに置き、体を捻って顔を後ろに向ける。
「何がどうしようって?」
このまま存在を知らせず遣り過ごすつもりだったけど、倉木に対するほんの少しの好奇心で話し掛けた。
突然背後から聞こえた声に驚き、倉木は言葉も無く勢いよく立ち上がり、振り向く。
……スゲー反応。
こっちがビックリしたわ。
どんだけ張り詰めてんだよ。
硬直している倉木を、木に凭れて座ったまま、目を細めて見上げた。
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