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「あぁ、お前……。倉木? だっけ?」
さも今気付きましたと言わんばかりの台詞を吐きつつ、ヨッコラショと小さく呟きながら、ゆっくりと立ち上がる。
俺は、長身の倉木を見下ろす、更に長身。
無言で俺を見上げる倉木を、木に寄り掛かって見詰めた。
「何? もしかして名前分からない? 俺は白坂京介(シラサカ・キョウスケ)。一応同級生ね」
リーマンの営業スマイルにも負けない柔らかい笑みを浮かべながらの自己紹介。
そんな俺に、倉木は――。
「あ! ごめん! まだクラスメートの名前、よく覚えてなくて!」
テンパり過ぎって位にテンパって、慌てて言葉を紡ぐ。
ふーん。
クラスメートの顔を覚える余裕も無いってか。
それはそれは・・・・。
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