A.彩

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「お前っ!喧嘩を売っているのかっ!!」 右手をびっと前に突き出して俺を指差し喚く少女。 いやはやガキ臭くて可愛…じゃない、なんだコイツは。 「えーと、いや…うん、悪かった…?」 「なんだその疑問符は。今語尾が吊り上がったぞ、絶対今疑問符を付けただろうお前」 不機嫌そうに口を尖らせる少女。 まあ、当たっているのだが。 「…とりあえず、訊いていい?」 「なんだうつけ者」 馬鹿呼ばわりされてしまった。 気にせず一呼吸置き、辺りにちらりと目配せしてから口を開く。 「俺、もしかして死んだ?」 「は?何馬鹿なことを言ってるんだお前は」 「いやだって周り見ろよ、星の無い宇宙が果てもなく続いてるぜ?」 「ここは世界を構築していないから、そして構築する必要が無いから」 すみません、意味が判りません。 少女はさも当然と云った様子で話してくれるが、俺は完全に置いてきぼりを食らっていた。 「世界って…意味判んないすけど」 「此所は別の世界に渡る為の玄関、そして私は全ての世界を把握している…お前から見れば案内人だな」 話終えてから少女はやれやれと溜め息を吐く。 やれやれはこっちの台詞です、お嬢さん 説明されてもっと訳が判らなくなるとは思わなかった俺は、返事の仕方も判らずにただ目を細めてぱちくり。
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