第二章

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キール「リッド、ファラ、来てみろ。この望遠鏡を覗いてみろ。市は合っているから」 リッド「なんだこれ、オレが毎日見てる空じゃねーか」 キール「いいから。オルバース界面が見えるな?拡大する」 リッド「なんだ、このでっかいの」 キール「黒体さ。ちょっと前から観測できてたんだが、ますます目立ってきた」 リッド「ふうん。じゃあ、このせいで空の色が変に見えたのか」 ファラ「で?黒体ってなんなのよ」 キール「世界が崩壊する予兆さ。そいつ……メルディのどっかーんは、その危険を訴えているのかもしれない。いずれにしても詳しく調べてみる価値ありだな」 ファラ「世界の崩壊ねえ」 リッド「詳しく調べるって、どうすんだよ」 キール「ぼくの恩師にマゼット博士というメルニクス語の権威がいる。今はミンツ大学を辞してモルルの村で暮らしているらしい。まずはそこへ行こうっ」 リッド「なんだって!?どうしたんだおまえ、急に元気になりやがって。モルルなんて大陸が違うじゃねーか。ミンツまでっていうから来たんだぞ。冗談じゃないね、オレはラシュアンに帰る……」 ファラ「わたしはキールについてく。だって、メルディほっとけないでしょ?リッドは平気なの?」 メルディ「りっど、りっどぉ!」 クィッキー「ククククィッキー!」 リッド「わ、わかったよ。行きゃいいんだろ」 ファラ「そうそう。ふふふ」
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