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キール「そこは『望郷の洞窟』と呼ばれているんだ」
ファラ「なんで望郷なの?」
キール「さあ、なぜかな。洞窟のあたりは、特別、モンスターの出現が多いと聞いている。そこでやられた旅人が、故郷を思いながら死んでいくからかもしれない。推測だが」
リッド「けっ、大丈夫なのかよ。運動能力ゼロのおまえがそんなところを通って」
キール「バカにするなよ、リッド。ぼくは昔のぼくとは違うんだ」
リッド「それが武器なのか?」
キール「いや。でも、僕は晶霊学を学んでいるから、リッドに心配してもらう必要はない」
リッド「そうかい。べつに心配なんかしてねーけどよ」
ファラ「キール……なんか具合悪そうだよ?」
キール、転ぶ。
メルディ「あ」
キール「う、うるさいっ。寝不足続きなんだよ」
ファラ「ちょっと休もうか。ね?リッド」
リッド「はん。口ほどにもねぇの。ほら、ここにきて暖まれ」
メルディ「エディン ヤイオ ディウディンド?」【疲れましたか?】
キール「触るな!」
ファラ「キール、いまのちょっとひどいよ」
キール「ふん、こんな得体の知れないやつ、用心してなにが悪い?ま、意思疎通さえできれば使えそうだがな」
リッド「使える?どういう意味だよ」
キール「ぼくは黒体の危険性を証明したいんだ。こいつの話を聞けば、証拠がつかめるかもしれない。そうすればぼくは大学に戻れる……いや、それどころかきっと最高学府である王立天文台に招かれるぞ。ははっ!」
リッド「……ろくに体力もねぇおまえがいやに協力的だと思ったよ。目的は自分の地位か」
キール「違う!ぼくは真実を探求したいんだ。そのためには最高の環境が必要なのは、当然のことだろう」
リッド「……」
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