再会のその先

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「あ…あたしっ!?」 驚くのもムリはない。 なんで、あたし? 真実が分かって出た答えは至って単純な疑問。 面倒臭いかもしれないけど、その疑問も解明したい。 「…なんで…あ、あたしなの?」 自分を差す指は小刻みに揺れている。 「お前じゃねえと、ダメだからだよ」 聞こえてきたのは、余裕で挑戦的な…自信に満ちあふれた声。 間違えるハズない。 「咲夜」 そっと振り返ってみると、あたしを見上げていた咲夜。 薄ら笑みを浮かべながら、徐々に階段を上がっていく。 「あたしじゃダメ?ナニソレ?」 「南海じゃねえと、俺らを抑えらんねえんだよ」 「これまで関わってきた女のコたちは、みんな俺たちの顔狙いだったんだ」 「…外見だけで、近付いてきた」 苛立ちと悲しみが混ざり込んだ表情。 『外見だけ』 中身をみようともせず、外見の良さだけで人を決めたんだ。 …最低だ。 外見はイイかもしれないけど、みんな中身の方が綺麗なんだよ。 確かに、ひねくれてたり、猫かぶってたり、無愛想だったり…… そんなんだけど、その皮を破ってみれば、心の中で閉まってた感情が湧き出てくる。 ひねくれモノは…ホントは淋しかったから。 猫かぶりは…人に不信感を抱いていたから。 無愛想は…感情を表に出せなくなったから。 なんで、それを分かってあげなかったんだろう。 今だって、こんな悲しんでるのに…。
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