再会のその先

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「……」 はあっ 手で目頭を抑えながら、ため息をひとつ落とす。 …恥ずかしい。 恥ずかしいよ、おじいちゃん。 ↑何故におじいちゃん? はあ…穴があったら埋められたい。 心の中で呟いて、また大きなため息を吐き出す。 「ん~まあ、今日間違ってよかったんじゃない?」 「ん…俺もそう思う…」 コクッと頷きながら、珍しく輝流の意見に賛同する凌。 「?…なんで?」 あたしの質問に、輝流がニコッと微笑みながら答えた。 「だって、今日ぐらいしか来ないし。俺たち」 「え…今日?」 今日? 今日しか来ないの? 疑問が頭の中を掠める。 「…俺たちは…ずっと待ってた」 凌が代わりに答えてくれた。…けど…。 全然、話の内容が理解できない。 何で…今日しか来ないのか。 何を…ずっと待ってたのか。 答えてくれたものの、肝心の答えが答えになってない。 「…南海を…待ってた」
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