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「外見、だけか…おかしいね。なんで分かんないんだろ」
あたしのポツリと言った呟きに、みんなは途端に笑顔になった。
「…南海ちゃんが変わってなくてよかった!」
子犬の様に目を輝かせながらあたしに抱きついてくる。
…いや…抱きついて"こようとした"の方が正しいかなあ…(汗)
「…輝流、抜け駆けはさせねえよ?」
ガシッと輝流の肩を掴み、悪魔(いや、魔王か)みたいに恐ろしい笑みをする咲夜。
「…折り畳むよ、輝流…」
咲夜の背後で、普段見せない、咲夜の様な笑みをまたする凌。
…咲夜はイイとして。(よくないよーっ!!;by輝流)
凌の『折り畳む』を想像すると…
ピクピクと頬が痙攣する。
…うん、何か生活用品として使えそうかも、うん。
「ちょ、てめえ!!髪さわんじゃねえ!!早起きしてセットしたのによっ…」
咲夜の背後には金剛力士像が立っていた。
恐かった。←何故に日記風?
「……」
今はこーやって、笑い合ってるけど
あたしが居なかった間の10年間は…みんなの心は、軋んでいた。
10年間の窪みは、簡単には埋めてあげられないと思う。
―――けど…。
今は、あたしがみんなを信じて、あたしらしく居れば支えにはなってあげられると思うんだ。
みんなの心は、絶対あたしが戻してあげる。
この再会は、もしかしてこの為に神様が用意した運命なのかもしれない。
みんなが笑い合ってる姿を見つめて、あたしは自分に誓った。
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