226人が本棚に入れています
本棚に追加
世界は暗闇に満ちていた。
どこを見ても何もない。
その中に、1人の少女が居た。
少女だけが白く光輝いて、黒と対照的だった。
これは夢だと少女は気付いていた。酷く現実味がない不確かな夢だ。と…――
だけど、何も感じない筈の暗闇の中で、少女は凍えるような寒さを確かに感じていた。
これは「おかしい」と頭ではなく心が呟いた。
夢なのに、やけに意識がハッキリしている。
少女は驚いた。
いつも見ている夢じゃない。いつもと違う。似てるけど、違う。
その時、暗黒の世界で冷たい声が響いた。
「見付けた」
少女の世界がぐるりと反転し――。
そして、三枝楓は夢から目覚めた。
最初のコメントを投稿しよう!