01.見可者(ケンカシャ)

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「だって――貴方も霊魂のはずでしょ!?」 「はぁ? 霊魂? お前は一体何を言ってんだ?」 「何をって……、貴方は彼と同じでもう死んでいるはずよ! なのにどうして……」 「……俺は死んじゃいねぇよ」  俺は死んでねぇ。  目の前で他人の死を目撃しただけだ。  見たくなかった、篤の死を。 「……なら、ならどうして………………貴方は私が見えているの?」 「……えっ?」  それはさっきと同じ、場違いな冗談かと思った。  また「見えないわけがない」と回答をする質問かと思っていた。  けど、そうとは言い切れねぇ。  少女が、これまでにないほどの驚愕した表情を浮かべているからだ。  その表情は、また場違いな冗談の表情なのか。  はたまた、本当の事を言っている表情なのか。  ――気付けば。  俺達の周りには人が集まりだしている。  遥か遠くでは、救急車のサイレンが大きくこだましている――――。 .
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