砕かれる平和

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「何が《ウルトラの星ねぇ》だ。えらく物思いに更けてんのな。らしくもない」 笑いながらコウキに歩み寄る人影が1つ。 影の主は訓練生の1人で 同期の友人、ツヅミ キョウヘイだ。 「いきなり来てらしくないとか言うなよ、ツヅミ! 地味にへこむって!」 真顔で言葉を返すコウキ それをキョウヘイは笑うしかなかった。 「真に受けんなって~」 キョウヘイはコウキの横に立ち見下ろしながらそう言う。 数分の間が空き、コウキが口を開く。 「なぁ…ウルトラの星ってとこ、本当に行けると思うか?」 「…子供じゃあるまいし、んな事考えてみりゃ判るだろ?」 コウキはキョウヘイに反論出来ずに黙り込み、また夜空を見上げる。 「さ、明日の訓練朝イチにフライトの訓練だったな。さっさと寝ないと遅れるぞ」 キョウヘイはコウキにそう言うと 寮の方向へと歩み始める。 「もう少ししたら戻るわ」 キョウヘイに返事が届いたかは解らない。 ただコウキは夜空を吸い込まれる様に見ていた。
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