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一歩、〝彼〟が近づく。
俺は見ていることしかできなくて。
…今日はホントに厄日だ、朝起きたときからついてなかったなぁ…
また一歩、〝彼〟が近づく。
俺は〝彼〟の行動に目をそらせなくて。
…朝食に当たって、トイレの紙も無く、そのせいで遅刻もするし、対戦相手も今話題の〝彼〟…
〝彼〟はその大きなハンマーを振りかぶり。
俺はその動きが嫌になるほど鮮明に、遅く見えて。
…学食のオムライスまた食べたいなぁ…そういえば、また新作が追加されたとか。
ハンマーが空高く掲げられ、一瞬、太陽の輝きを受けて煌めき、ハンマーは見えなくなった。
俺は降参の一言も言えず、墜ちるハンマーに身を任せるしかなかった。
…ああ…明日は晴れるかな…
そこで俺の意識は途切れた。
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