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「たかちゃん…
今日も空がきれいだよ…」
雲一つない空は、まるで何もない私の心を表しているようだった…
― 私は、半年前に恋人、桜井隆司[サクライ タカシ]を交通事故で亡くした。
「たかちゃん…
会いたいよ……」
止めどなく涙が溢れだす。
ピンポーン
「だれ…?」
ガチャ…
「どちらさ…」
「よっ、楓。元気か?」
「なんで…
なんで優[ユウ]がここを…?」
望月優〈モチヅキユウ〉。あたしと隆司の幼馴染みだ。
「楓…
隆司、亡くなったんだって…?
俺、今まで知らなくて、さっき友達から聞いたんだ…」
…
「楓、泣き虫だし、弱虫だから、泣いてるだろうと思って来てみた。」
そう強がる彼の瞳には、今にも溢れんばかりの涙がたまっていた…
「ありがと…優。」
優の心遣いに、不覚にも、また涙が出てきた。
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