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当然、無視は出来ないので、俺は場所を教えてやる。
「1年1組は、2階なんだよ。この階段上がって、右に曲がれば、分かるよ」
この高校は何故か、1年の中で1組だけ、2階にある。
そのため、俺も去年は少し迷った記憶がある。
普通なら道しるべの張り紙がありそうだが、廊下には何も張ってない。
「ありがとうございます。えっと・・・」
彼女は自分の名前を言って、俺の名前を聞いてきた。
どうせ忘れるだろうと思っていたから、名前を教えた。
もう一度お礼を言うと、彼女は階段を上がって行った。
その後すぐに、会うとは思わなかった。
入学式の後は雨で、通学方法が自転車の俺は、仕方なくバスで帰ることになる。
教室で少し時間を潰して、昇降口に出る。
「・・・あ」
思わず声に出すと、彼女は振り返り、ペコリとお辞儀した。
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