◆あなたがいれば◆

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「そうよ。世界樹を取り込むために…。そしてもうすぐシンは完全に私のものになる…。」 「…僕…は君の思い通りには…ならない…。ルミナシアは…僕が守る…。」 シンは微かな意識の中、少女に言った。 「まだそんなことを言うか!!」 少女は電撃の術をシンに浴びせた。 「うわああああああっ!!」 「シン!」 シンは力なく、意識を失った。 カノンノは怒りのあまり我を忘れたかのように、少女に飛びかかった。 少女はふっと不適な笑みを浮かべて、術を放ってカノンノを退けた。 「きゃぁっ!!」 カノンノは吹っ飛ばされた。 「カノンノ!!」 イアハートが思わず叫んだ。 「…輝ける力よ…。」 皆がその声に振り向いた。 するとシンは力を振り絞って光を放った。 「僕に力をっ!!」 シンは光を放ち、鎖を引きちぎった。 「シン…。」 全身怪我だらけで血まみれのシンは、ふらつきながらも立ち上がり、少女を睨んだ。 「ほぉ…まだそんな力を残していたのか。」 シンは剣を構えた。 「シン、無理だ!!その体で戦うなんてっ!!」 ルカがそう言って止めてもシンは聞かず、カノンノとイアハートの前に立ちはだかった。 「イアハート。カノンノに手当てを。」 「何言ってるの、シン!あなたのほうがよっぽど酷い怪我をして…。」 シンの体からポタポタッと血が流れていた。 「シン!!」 イアハートはそれを見て、思わず青ざめた。 「カノンノは僕が守る…。」 「そんな体でこいつらを守ることに一体何の意味がある!お前は世界樹とルミナシアに利用されてるにすぎないんだぞ、ディセンダー!」 すっかり形相がかわり、荒々しい口調で少女はシンに言った。 「確かにそうかもしれない。」 「シン…。」 シンはうつむいた。 「僕の代わりはいる。それに僕がいなくても、アドリビトムの皆がいれば、きっと世界は正しい方向へ向かう。僕はもう必要ない存在なのかもしれない。」 シンが言うと、すかさずルカが叫んだ。 「シン!!!!」 「…でもそれでも…僕は…アドリビトムの皆が好きなんだ。皆は僕を仲間だって言ってくれた。」 少女は鼻で笑った。
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