◆あなたがいれば◆

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「ルカ。みんなを連れてバンエルティア号へ戻れ。」 シンはそう言って、みんなの前に立ちはだかった。 「でも、シン!君はどうするんだよ!?」 ルカに言われて、シンはフッと笑った。 「僕は彼女を倒す。」 「私を倒す…だと!?面白い事を言う。」 ルカはイリア達を守るようにしながらも、シンは言った。 「だったら僕も一緒に戦うよ!!」 「…足手まといなんだよ!!」 シンはルカの言葉をさえぎるようにして言った。 ルカは動揺を隠しきれずに言った。 「シン…。」 「早くバンエルティア号へ行け!」 ルカは泣きそうな顔で、何か言いたそうなイリアと、カノンノ達を連れてバンエルティア号へ戻っていった。 「ルカ…ごめん。」 シンはカノンノと対峙した。 バンエルティア号へ戻ったルカが、泣いているとイリアが言った。 「いつまで泣いてるのよ、ルカ。」 「だって…シンが…僕を…僕…シンと友達…足手まとい…て…」 すでに何を言っているのかわからないような状態だったが、イリアは大体を把握してため息をついた。 「あんなの、本心で言ってる訳がないでしょ。」 ルカは泣き顔のまま、イリアを見た。 「あたし達を守るために言ったのよ。何が友達よ。今までのアイツを見ていたら、アイツが何であんな風に言ったかくらい、想像つくでしょ。」 イリアはため息をついた。 そして気を失っていたカノンノが目を覚まして、辺りを見渡した。 「シン…シンはっ!?」 見慣れた風景。バンエルティア号の中。 だがそこにシンはいなかった。 イアハートは、気まずそうに下を向いた。 「ごめんね。カノンノ。シンを…止められなかった。」 動揺を見せるカノンノに、イリアが経緯を簡潔に話した。 「何でシン…いつも一人で抱え込んでばっかりなの?…ラザリスのときも、ダオス達を倒しに行くときも…いつも肝心な時は一人で…。あたし、シンの役に立ちたいのに…傍にいたいのに…。」 カノンノは思わず涙を流した。 「あたしも…シンの傍にいたかった。離れたくなかった…。」 二人の想いを察して、ルカとイリアが顔を見合わせた。
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