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ルミナシア。
バンエルティア号内。
あのラザリスのキバからディセンダーが世界を救ってから数ヶ月。
アドリビトムは、相変わらず忙しい日々を送っていた。
今日はつかの間の休息の日。いつもは忙しいディセンダー、シンも甲板で涼しい風に当たっていた。
金髪の柔らかそうな髪に、透き通るようなエメラルドグリーンの瞳。
やっぱりカッコいい。と見つめていたのはカノンノだった。
「シン。」
カノンノに呼ばれて、シンはゆっくりとこちらを向いた。
「どうしたの?カノンノ。」
優しく微笑むシンの傍に、カノンノは駆け寄った。
「あの、ね。ロックスがおやつ作ってくれたの。食堂に行こう?」
カノンノが言うと、シンはカノンノの頭を撫でた。
「ありがとう。」
シンが船内に入ったあとに、カノンノも続いた。
カノンノがホールに入ると、積み重なった本をたくさん抱えたリタと、シンがいた。
シンはリタの荷物をひょいっと持ち上げ、リタに言った。
「研究室に持っていけばいい?」
シンに言われて、リタは顔を赤らめた。
「あり…がと。」
シンは研究室に荷物を運び込むと、中央の机に置いた。
「なぁに?シンに持たせたのぉ?」
ハロルドが悪戯っぽくリタに突っかかった。
「持たせたんじゃないわよ。あいつが勝手に手伝ったの。」
「どーだか。」
楽しそうに談笑する研究室からホールに戻ったシンは、いきなり頭痛に襲われた。
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