◆あなたがいれば◆

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シンを平手で殴ったのは、イリアではなくルカだった。 「ルカ…。」 ルカは涙ぐみながらも、シンを睨んでいる。 「何言ってるんだよ。…僕達は、ディセンダーだからシンと一緒にいるわけじゃない。僕らの仲間のシンがたまたまディセンダーだっただけだ。シンの代わりなんかいないよっ!!」 ルカは涙をぽろぽろと流していた。 「あんたの体を侵食している原因を突き止めて、必ずあんたを救う。…だから、今は無理はしないで。」 イリアはいつになく泣きそうな顔でシンを見た。 二人はシンを残して部屋を出た。 しばらくすると、スパーダが部屋に入ってきた。 「スパーダ。これほどいてよ。」 シンが縛られた手首を見せて言った。 「悪いな。俺もルカやイリアと同意見だ。お前が無茶するのを知ってて、放っとくなんてできねぇよ。」 「アンジュの耳にも入ってるよね…。」 シンが言うと、スパーダはニヤリと笑った。 「まぁ、いい機会じゃねぇか。少し休めよ。」 スパーダはそう言って、自分もベッドに寝転んだ。 『ディセンダー…汝の体…我が…頂く』 また頭痛と頭に聞こえる声がして、シンは思わず声を上げた。 「くっ…やめろ…やめろぉぉぉ!!」 ただならぬ感じにスパーダが飛び起きた。 「シン、どうした!!シンッ!!」 「スパーダ…逃げろ…。」 シンはそうスパーダに言ったが、スパーダは首を傾げた。 シンは縄をひきちぎり、スパーダに襲いかかった。 「シン、どうした!!お前っ!!」 シンは容赦なくスパーダの首を締め上げた。 「くっ…シン…やめろ…。シン…。」 そこに、イリアとルカが入ってきた。 「シン!!あんたの体を蝕んでる原因がわかっ…」 イリアはスパーダの首を締め上げているシンを目の当たりにした。 「ちょっ…と遅かったみたいだぜ…イリア…。」 スパーダはイリアに言った。 瞳の色がない。 完全に正気でないシンの様子に二人は驚いた。 イリアはシンの足元に銃を撃ち込んだ。 シンはイリアを睨んだ。 「イリア!!」 シンがイリアに襲いかかった瞬間、ルカが前に立ちはだかり、ルカがシンを退いた。 シンは剣を抜き、ルカに斬りかかった。 ルカは剣を盾のようにして、防いだ。 「シン…。」 シンはイリア達の部屋のドアを蹴破り、ホールに向かった。 「まずい!!」 ルカ達はシンを追った
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