超絶ネクラマンサー

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 年は俺と同じぐらいで十五、六ぐらいだろうか。  パッと見じゃ、ネクラマンサーには見えないはず。  おまけに、今の服が俺の通っていた中学校指定の青ジャージだから余計にだ。  俺は湯のみを手にとり、ずずずずっと飲む。というか、このお茶は俺が買ってきたやつなんだけど、なぜに粗茶? そんな疑問がよぎったが、華麗にスルーする。俺はそんな細かいところまでいちいち突っこまない主義なんでな。 「お味のほうはいかがですか?」  ぼそぼそ声で聞きながら、ネクラマンサーは俺の目をじっと見つめてきた。出会って一週間になるが、まだ怖い。くりくりした愛らしい目ならまだしも、そこにあるのは死んだ目。慣れるには、もう少し時間がかかりそうだ。しかも無表情なもんだから、俺はやや圧倒されて、 「ま、まあまあかな」  と適当に答えた。まあ、本当に「まあまあ」の味だったのだが。いや、今はそんなことはどうでもいい。ここで、俺は大変なミスを犯したのだ。そのことに気づき、しまったと思ったが、もうあとの祭りである。
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