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この顔が、僕は何故かひどく苦手で、この子にはいつも笑っていてほしかった。
それなのに、今、大好きな女の子を僕が悲しませている。
つぶらな瞳から、この子には不釣り合いなほどに大きな涙がポロポロと零れた。
悲しい思いが彼女の目から溢れだすたびに、僕の胸も締め付けられるような痛みに襲われた。
なんだこれ・・・・・・。
すごく苦しい。
鼻の奥が、ツンとした。
次第に息苦しくなってきて、僕もズボンをぎゅぅっと握りしめた。
すると、手のひらに何かを掴む感触が伝わる。
その時、いいことを思いついた。
『じゃあさ、―――ちゃん。こうしよ?』
喉をひっくひっくと鳴らす小さな女の子に、内緒話をするように囁く。
『なぁに?』
『ぼくね、必ず帰ってくるから、ちょっとまってて。それでね・・・・・・』
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