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「斎!見てたか俺の勇姿!1番やったで!」
「え?あー…おめでとう?」
厘也が居ないな、と気づいたのは隼佐から声をかけられた時だった。
まだ癒されてないのに、なんて思いつつ「まさか、見てへんかったんか!?」とか何とか叫んで一人落ち込んでいる隼佐を見ていた。
《次はコスプレリレーだよーっ》《何が出るかな♪何がでるかな♪》
すると、双子の声がマイクごしに聞こえてくる。
某番組のノリが何となくウザいと思うのは俺だけだろうか。
「じゃあ、行ってくるね」
コスプレリレーに出なきゃいけないから、隼佐やその周りに言ってその場を後にする。
「斎なんか応援してやらんからな!」とか言ってた隼佐は周りにボコボコにされていた。
「斎!」
怠ぃな、なんて思いながらもスタートラインに立っていると
久しぶりに聞く憂鬱な声が。
あーもう…。
そういや謹慎とれたんだっけ。
「…転校生君、君は1番端でしょう?ちゃんと並んでなきゃ駄目だよ?」
そう、話かけてきたのは
言わずとも、もう恒例になってきてるからわかるだろうが転校生だ。
何もう、体育祭だからかいつもよりハイテンションなのが更にウザいんだけど。
双子のウザさなんか比にならないんだけど。寧ろ双子が可愛く思えるんだけどー。
「えーっ!俺斎の隣がいい!!」
駄々こねるなよガキじゃあるまいし。
…いや、ガキだったな。悪い。
「ほら、他の人が迷惑するから…ね?佐藤君、お願い。」
「っ!わかった!斎がそんなに言うなら仕方ないからな!」
相手にするのは疲れるが、係の人が困っているから仕方ない。
名前で呼んでお願いすると、パッと嬉しそうな顔をした転校生は端の方へと向かって行った。
…よかった、うろ覚えだったんだけど
佐藤であってた。
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