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「斎…似合い過ぎて怖いわ。」
「ああもう、メイド服は俺が買った奴を着せたかったのに…まぁ美味しかったけど。」
そして、コスプレリレーは俺が時間をロスした為に青組は辛うじて三着という結果で終わった。
(白、赤、青、黄、の順)
…そこまではいいんだが
転校生を撒いて美紀と隼佐がいる応援席に着いた今でも俺はメイド+猫耳のまま。
「…死ねばいい。」
それには双子が関係している。
あいつら、事もあろうに…終わって着替えようと考えている所に
《あ、因みにお着替えはしちゃダメだよー?》
《午前の部はそのままって決まりだからー♪》
とか吐かしやがって…
そのせいで俺は今だに屈辱を味わっている。
あの時あのままボックスで過ごしたとしても、結局はこれで過ごさなきゃだったって訳だ。
「ちょ、斎?素がでてるから!」
「メイド服+猫耳に学園の天使の冷笑は目茶苦茶シュールやで、斎。」
素?は、知るか。
別にバレたところでどうでもいいんだよ。
天使とか周りが勝手に言ってるだけだろうが。
「あっほら!ワンコが応援団出るみたいだよ!?」
「…ワンコ?」
卑屈になっていると、美紀が焦ったように運動場の真ん中へと指を指した。
「斎ワンコ好きだし!これで機嫌直るね!」
「は?犬なんかおらへんで?」
ワンコ…ワンコ…犬?
犬といえば…厘也!!
美紀の言葉を復唱して、可愛い可愛い厘也に行き着いた俺は勢い良く応援団による応援が始まらんとする場所を見た。
「犬じゃなくてワンコ!わかんないなら話に入ってこないでよ、KYムッツリ関西弁。」
「はぁ!?何やとっ」
しかし、見当たらない厘也。
そして代わりに見つけた姿に
「一遍、死んでみる?」
「ぐべっ!?」
「斎ダメぇ!それは着物着てから言う台詞ー!!」
丁度隣に居た隼佐の首を絞めた。
ワンコ、うん。
確かに犬はいたよ。
だけどなぁ…
駄犬(心)はお呼びじゃねぇんだよ!
てか何で不良の癖にサボらず体育祭なんか出てんだよ紛らしい!(八つ当たり)
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