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「ふぁ~…もうすぐ夏休みだねぇ蜜柑っ」
「今年もまた家族でハワイだろうな」
―――体育祭も終わり、一段落ついた今日この頃。
休憩時間に双子が紅茶を飲みながら夏休みの話をしていた。
因みに体育祭が終わった今も、俺は生徒会顧問に許可を貰って生徒会補佐を続けている。
「え、やっぱり別荘とかあったりするの?」
そしてまだ休憩時間じゃないのに話に入る美紀。
…まぁ、一学期はもう行事はないし、溜まってた仕事も大方済ませて問題ないし許そう。
「当たり前じゃん、知らない奴が居る所にとか泊まれないよー」
「だな。」
「うわぁ王道だけど厭味に聞こえて苛つく…」
体育祭の後も、金魚の糞は今だ生徒会室に足を踏み入れる事はなかった。
転入生もまた相変わらず騒がしく、問題を起こしているが
最近は俺が生徒会室に入り浸っているから、あまり会う事もなく平和だ。
溜まっていた仕事は体育祭が終わった直後に早々に終わらせて
使えない金魚の糞の代わりに鬼塚先輩達が仕事を手伝ってくれるし…
でも、なんだかなぁ
こう平和がいきなりくると、何かか知らないうちに起こってそうな気がする。
「ハワイ行った事無いなら一緒に来るか?」
「あ、それ良いね!他の人も呼んで皆で行こうよ!」
「えーでも家族旅行なのにいいの??」
盛り上がっている三人を横目に出来上がった書類を纏める。
なんか今すげぇ和菓子食いたい気分…
「皆で行った方が楽しいじゃんっ」
「木葉も行かないか?」
さて書類を風紀に届けようかな、なんて席を立つと蜜柑と思われる奴(今だに覚えてない)に話かけられる。
ああ、ハワイだっけ?
「俺は行く所があるから無理。土産待ってる。」
まぁ無理って程予定詰まってる訳じゃないけど、外国の生活感が合わないし。
「斎が行かないなら俺も行かなーい」
「お前は行って楽しんで来い。」
俺が行かないなら、と断ろうとする美紀を止める。
楽しみって顔してたくせに、俺に気ぃ使うなっての。
「木葉行かないのー!?」
「つまんなーい」
くだくだと文句を言う双子を無視して、風紀室に向かう事にした。
ていうかあいつら、生徒会の仕事が夏休みにもある事知ってんのかな。
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