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「…何だこれ。」
――風紀室に入ってみると、珍しい光景に唖然とした。
なんか書類ハンパねぇし。
風紀委員全員だと思われる生徒達が各席に突っ伏している様は意外すぎる。
…あれ?
生徒会はそんなに書類が回ってきてねぇのに、なんでこんなに書類があるんだ?
「…斎の匂いがする…おかしいな、嗅覚に異常を来したのだろうか…」
ピクリともしない風紀委員達を眺めていると、風紀委員長の席で突っ伏している奴が呟いた。
いや、嗅覚どころか頭に異常があると思うんだけど。
「厘也君?」
とりあえず無視して、副委員長の席で突っ伏している赤茶の髪を撫でる。
君付けなのは、違う風紀委員達がいるからだ。
「ん…せんぱい…?」
モゾモゾと顔を出した厘也。
目開いてないし。
舌足らずすぎるし。
てかもう可愛すぎるし!!
「…顔色悪いね。この現状はどうしたの?」
悶えつつも、撫でながら聞く。
少し疲れたように頭を擦り寄せる厘也は、もう犬だ。
「ゴミが…」
呟く厘也から聞こえたのは、ゴミという単語。
ゴミ…?
「生徒会の奴らが親衛隊を解散したんだ。元親衛隊の生徒はそれをあの宇宙人がたぶらかしたせいだと言ってな…、騒ぐ宇宙人に他の生徒も鬱憤が溜まり、学園の備品は壊れるわ、強姦暴行がますます増えた。」
疑問符を浮かべていると、先程まで突っ伏して頭のおかしな発言をしていた奴が、背筋を伸ばして説明をした。
さっきまで汚かった机の上はいつの間に綺麗になったんだろうか…。
「だけど、生徒会には書類が回ってきていないぞ?」
不思議なのはそこだ。
備品が壊れたり暴行等が合った場合に書類を作るのは風紀だが、生徒会が処罰を確認して印鑑を押すまでしないと書類は完成しない。
一体、どういうことだ?
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