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「ごめんなさいっ!」
寮の俺の部屋(正しくは共同スペースのリビング)で、俺はソファーに座って目の前で土下座をしている奴の頭に足をのせて体重をかける。
「言い訳、聞いてやるよ」
俺がそう言うと、ソイツは俺の足をのせたままの頭を勢いよく上げ
「だって王道なんだもん!腐男子たるもの無視すべからず、ってかできない!俺は王道展開の萌えを見る為だけにこの学園にいるんだから!だからお願いです!少しだけ協力してくださいっ!!」
大きな声で喚いてまた土下座した。
さて、この煩い奴の紹介でもしてやろうか。
この土下座している奴は、不本意ながらも俺の幼なじみで
基本的に俺には逆らわない。
だけど
コイツは所謂腐男子というやつらしく、男同士がイチャイチャするのを見たいがために突拍子もない言動をするのだ。
本当にはた迷惑な奴。
顔と身体だけは立派になりやがって、頭の中は妄想だらけ。
この学園でコイツがこんな性格だと知っているのは、恐らく俺だけだろうな。
なんたってコイツは
チャラ男で有名な
生徒会会計の河瀬 美紀だ。
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