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一応、任務は終えたと美紀にメールを入れておく。 まぁ返事は直ぐに来たのだが、あまりに長い内容だったので削除した。 今は授業中。 転校生は隣のSクラスらしいが、生徒会室に呼び出されたらしく、今隣のクラスはそんなに騒がしくない。 ちなみに俺はAクラスだ。 ここで説明を入れるが 基本的にこの学園は家柄や成績でクラスが分けられている。 Sクラスの場合は生徒会の集まりであり、特待生や奨学生もこのクラス。 AクラスからEクラスは、家柄と成績順。 Sクラスに入れるような家柄と成績の生徒でも生徒会などの親衛隊に入っている生徒はAクラス止まり。 そして、Fクラスは不良とよばれる問題児達のクラス。 家柄がよかろうと成績がよかろうと、問題児であればこのクラスに入っている。 問題を起こさないようにと、Fクラスは一年から三年まで校舎が他のクラスとは違う。 (それでも問題は無くならないが) 「木葉、この問題を解きなさい。」 不意に先生から呼ばれて顔を上げると、無表情の先生が。 今は数学の時間で、この無表情の先生の名前は 羽島 譲(ハジマ ユズル)先生。 確か24才で若いが、とても優秀らしい。 清潔感のある黒髪にノンフレームの眼鏡、冷たい眼差しが特徴で 生徒からは"鬼島先生"と影で呼ばれているくらいの、とても厳しい先生だ。 「…はい、出来ました。」 逆らうなんて(無謀な)事はせずに黒板の前に立ち、答えをチョークで書いて先生を見る。 「正解だ、木葉は優秀だな」 答えなど見ずに俺を見て優しく微笑む先生。 …その顔初めて見た。 .
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