6/7
前へ
/120ページ
次へ
「?…ありがとうございます」 困惑しながらも笑顔でお礼を言って席に向かう。 しかし、先生に腕を掴まれて引き寄せられた。 「!?」 それを見たクラスの生徒は息を飲み、斎を心配そうに見ている(一部は斎と先生どちらかを睨んでいたが)。 「…何でしょうか?」 「別に、ただお前に触れたかっただけだが。」 意図がわからなくて先生に聞くが、微笑んでそう返された。 いや、もう触れるどころか抱き着いてんだけど。 クラスの皆の視線が痛い。 …何で授業中に? そう思っていると、先生は耳元で囁き手を離した。 「……ぇ?」 ―――――キ-ンコーン… 俺の呟きは、丁度鳴ったチャイムに掻き消されてしまった。 「…授業を終わる。プリントは次の授業までに終わらせておけ。」 先生は、唖然とする俺にまた微笑んで教室を後にした。 『本当のお前の方が、可愛い』 先生は…俺の素を知ってるのか…? .
/120ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4226人が本棚に入れています
本棚に追加