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「ちょっと~、雫ひどーい。俺は雫だけだって言ったじゃん?この子はセフレですらないってば~っ」 転校生をどうやったら殴り飛ばせるだろう。と考えていると、助け舟とは言い難い助け舟が。 言わずもがな、美紀(演技中)である。 しかし、心無しか… いつもより声が低い気がする…。 なんか、不機嫌になってねぇ? 「ほんとか!?斎はセフレにしちゃ駄目だぞ!俺の親友なんだからな!!」 だけど、そんな美紀に気付くはずもない薄っぺらい友情の持ち主、転校生はそれを聞いて機嫌が少し直ったらしい。 …てか、はい? 俺はいつお前の親友になったんだっての。 しかも抱き着くなよ気色悪ぃ!! 「おいっ雫から離れやがれ淫乱!」 「本当、純粋な雫に色目使うなんてどうかしてる。」 そこで、話に入ってきた転校生の取り巻き二人。 美紀が言ってた、(元)一匹狼に爽やか(いや腹黒い)スポーツ少年。 うん、離してくれたのは感謝したいもんだが 淫乱って何だオラ。 色目?純粋? 純粋な奴がセフレなんて言葉をスラスラと言う訳ねーだろボケ。 マジ何な訳? 転校生もアホだが、取り巻きもアホばっか。 類は友を呼ぶって本当なんだな。 ついつい白けた顔になってしまうのを堪え、少し悲しそうな顔をしてみる。 「…僕に近づいたら、君まで嫌われ者になっちゃうから…もう話かけないで…」 これ、即座に考えたにしてはいい案だと思う。 なぁ、友達思いだって言うなら こんな優しい俺が今言っているこの言葉の意味、わかるよなぁ? 「なっお前ら!こんなに綺麗な斎が淫乱な訳ないだろ!!大丈夫だぞ斎!俺はそんなの気にしないでお前の側にいてやるから!斎は俺と一緒にいればいいんだ!」 …俺の考えが甘かった。 美紀の言ってた、ウザイ王道転校生にそっくりなコイツは 自分の意見が正しいと疑わない、自己中なガキだ。 .
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