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「斎!!」
ほんわかと可愛い厘也に癒されていたが、次の瞬間響き渡ったドアを開ける音と俺の名前を呼ぶ声に邪魔された。
「斎、俺に会いに来たんだろう?そんな所に座ってないでソファーに座れよ。今何か用意させるから、な?」
入って来た人物は、言わずもがな風紀委員長の羽島。
いつもの無表情ではなく、笑顔で俺に話かけてきた。
…この顔、写真撮って学校のコイツのファンに売り捌きたい。
「…ん、、せんぱい…?」
「おはよう厘也。睡眠邪魔してごめんな?」
大きめの声で話かけてくる羽島のせいで、案の定厘也が起きてしまった。
テメェこの野郎。
厘也のレア(斎にとって)な寝顔が…っ
いやまぁ寝起きでトロンとした目とか、舌足らずな口調とかコシコシ目を擦ってる所が見れたのはいいけどさ。←
「…また厘也か。斎、俺の方が見た目も中身も良いと思うが。俺は斎に尽くすぞ?」
「は?自信過剰なんだよナルシスト。厘也の方が断然可愛いんだよ、整形して性格直してリベンジしろや。」
まだ覚醒しきれていない厘也を撫でていると、横から入ってくる羽島。
この学園じゃあお前のが人気高くても、俺の基準は違うんだよナルシストめ。
「整形か…頑張ってみよう。厘也の顔がいいのか?」
「本気でやんな。マジ気持ち悪い。」
言ってやれば、本気にした羽島は整形外科を探し始める。
…何お前、馬鹿?
厘也が二人とか嬉しい気もするけど、価値が下がるだろうが。
「いつ…」
「あ、生徒会室行かないといけないんだった。じゃあまたな、厘也。」
なんだか面倒になってきたから、早いけど生徒会室に行く事にする。
何か言おうとした羽島の言葉を遮って厘也にじゃあな、と笑んで歩き出した。
「斎!」とか呼ぶ声が聞こえた気がするけど…まぁ、面倒なので無視。
風紀室に出る前に風紀委員にも「頑張ってね」と微笑む事は忘れずに、風紀室を出た。
「木葉先輩って…」
「まさか」
「「木崎と付き合ってんの?」」
もちろん、風紀室に出た後にその二人が呟いた事は俺が知るよしもない。
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