14/16
前へ
/120ページ
次へ
―――――――ガチャ 「おい双子、コーヒーと甘いもん用意しろ。」 そして、予定では昼休みに来るはずだった生徒会室に来た俺。 入って直ぐにソファーに寛ぐ双子に飲み物と食べ物を頼んだ(最早命令)。 「な、」 「何で」 「「僕達が!」」 「うっせー。一々分けんなハモんな。良いから用意しろや、暇なんだろ?」 そうすれば、噛み付くように抗議しだした双子。 寛いでた癖に何言ってんだボケ。 机の上の書類の山を見れば、昼休みまでのノルマがこなせてねぇぞ? そんなんで文句言えんのかコラ。 と、言外に目で伝えれば顔を青くして給仕室へと走って行った。 双子を見送った俺は、またソファーを見た。 ソファーには唖然とこちらを見ている美紀。 「で?美紀は何してるのかな?手に持ってるソレは何?今見てる卑猥な文は何かなぁ?俺の名前が書いてる気がするんだけど、気のせい?」 うん、そこまではいいんだよ。 後でスパルタすんのは決めてたし、仕事はすぐに終わる。 だけど 美紀が持っている携帯は生憎、ここから美紀のソファーは近いし俺の視力はどっかの民族並(ただの比喩です)。 しかもこちらから画面が丸見えなんだが、その内容がいただけない。 官能小説と思わしき文が並び、俺の斎、という名前が出てきている。 「え?あ、これは携帯で…これは俺が書いたドM不良+無口ワンコ×腹黒のBL小せ………つ…………」 俺の思いがけない登場に驚いているのか、ご丁寧に説明してくれやがった。 最後にいくにつれ我に返ったのか青ざめて声が小さくなっている。 おっかしーなぁ、美紀。 ドM不良は最近見た。 無口ワンコもさっき会ってきたんだけど? 「なぁ、美紀。」 「な、何でしょう?」 引き攣った笑顔で返事をする美紀に、言ってやる。 「あんな可愛い厘也が突っ込む側なワケねぇだろうが!」 「…そこぉおおお!?」 とりあえず、美紀の今までの愚行を見ていれば予想がつくんだ。 俺を登場人物にした卑猥な小説を書いている事くらい。 しかしだな、あんな可愛い厘也が突っ込む側なんて俺は想像できない!(なんだか思考が腐的になっている) .
/120ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4231人が本棚に入れています
本棚に追加