4231人が本棚に入れています
本棚に追加
―――――――ガチャ
「おい双子、コーヒーと甘いもん用意しろ。」
そして、予定では昼休みに来るはずだった生徒会室に来た俺。
入って直ぐにソファーに寛ぐ双子に飲み物と食べ物を頼んだ(最早命令)。
「な、」
「何で」
「「僕達が!」」
「うっせー。一々分けんなハモんな。良いから用意しろや、暇なんだろ?」
そうすれば、噛み付くように抗議しだした双子。
寛いでた癖に何言ってんだボケ。
机の上の書類の山を見れば、昼休みまでのノルマがこなせてねぇぞ?
そんなんで文句言えんのかコラ。
と、言外に目で伝えれば顔を青くして給仕室へと走って行った。
双子を見送った俺は、またソファーを見た。
ソファーには唖然とこちらを見ている美紀。
「で?美紀は何してるのかな?手に持ってるソレは何?今見てる卑猥な文は何かなぁ?俺の名前が書いてる気がするんだけど、気のせい?」
うん、そこまではいいんだよ。
後でスパルタすんのは決めてたし、仕事はすぐに終わる。
だけど
美紀が持っている携帯は生憎、ここから美紀のソファーは近いし俺の視力はどっかの民族並(ただの比喩です)。
しかもこちらから画面が丸見えなんだが、その内容がいただけない。
官能小説と思わしき文が並び、俺の斎、という名前が出てきている。
「え?あ、これは携帯で…これは俺が書いたドM不良+無口ワンコ×腹黒のBL小せ………つ…………」
俺の思いがけない登場に驚いているのか、ご丁寧に説明してくれやがった。
最後にいくにつれ我に返ったのか青ざめて声が小さくなっている。
おっかしーなぁ、美紀。
ドM不良は最近見た。
無口ワンコもさっき会ってきたんだけど?
「なぁ、美紀。」
「な、何でしょう?」
引き攣った笑顔で返事をする美紀に、言ってやる。
「あんな可愛い厘也が突っ込む側なワケねぇだろうが!」
「…そこぉおおお!?」
とりあえず、美紀の今までの愚行を見ていれば予想がつくんだ。
俺を登場人物にした卑猥な小説を書いている事くらい。
しかしだな、あんな可愛い厘也が突っ込む側なんて俺は想像できない!(なんだか思考が腐的になっている)
.
最初のコメントを投稿しよう!