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「ま、いいか。当日来ない様だったら風紀に頼めばいいからな。」
「…斎って、敵に回したくない人No.1だよほんと。」
双子のうち一人(どっちかわからん)にコーヒーを煎れ直せとお願い(命令)して、シュークリームを食べながらそう言えば美紀が呟く。
…俺は鬼塚先輩の方が危ないと思うけどな。
「…木葉ってやっぱり風紀とも仲良いんだね。」
「あ?まぁ…厘也はな。」
やっぱりって何だよ、なんて思いつつも厘也を浮かべてほんわかする。
厘也人形とか、売ってねぇかなマジで。
「てか…えっと、双子。俺の名前知ってたんだな。」
「知ってるよ有名なんだから。って、双子って止めてよ!僕は檸檬!覚えてよね!」
そういや初めて名前呼ばれた気がする、と思って言えば…あ、そうか、俺って一応有名なんだった。
つーか、そんな怒らんでも。
似過ぎてわからんお前らが悪いんだよ(理不尽)。
「ああもう!ほら、ここに黒子があるのが僕だよ!蜜柑は無いの!」
「あ?知るか。見分けてほしいなら、髪染めるか切るかしろよ。」
興味無さそうな顔をすれば、呆れたように説明された。
えー、首の黒子とか一々見ないとなのかよ。面倒臭。
「あのね、双子ならではのどっちがどっちでしょーゲームができないでしょ。」
「そうそう、見分けられない奴を馬鹿にするのが楽しいんだ。」
檸檬が呆れたように言い、給仕室から出てきた蜜柑が話を繋げた。
なんか話を聞いてみれば、美紀から聞いた様に同じ様にしてるくせに見分けてくれないとヤダとか、矛盾した王道話とは違うらしい。
美紀が見てわかるくらい落ち込んでる。ざまぁみろ。
「因みに、性格も合わせてんだよ。」
「蜜柑の一人称も俺だし、僕と違って可愛い物は好きじゃないの。」
うわ、聞けば聞く程王道と違う。
しかも蜜柑の口調がさっきまでとエライ違いだ。
「本当は見分けられるまで黙ってようと思ったんだけどね。」
「木葉、そういうそぶりが全く無いもんだから。」
痺れきらしたからネタバラシ。
と言う二人に、ごめん興味なかったんだ。とは言えなかった。
「どうでもいいけど仕事始めんぞ。」
…そんな事よりとりあえず、仕事だ。
体育祭はもう間近。早く仕事を進めないと期限つきの会計補佐も終わるんだ。
「…まぁ、木葉の被ってる猫の方が衝撃だったけどな。」
「悪魔が天使の皮被ってるなんてね…」
聞こえてんぞ、双子。
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