1.始まりは突然に

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まじまじと顔を見る。 しっかり見たのも初めてだ。 俺より2、3歳は年上らしい人。 「あなた、学生だったのね。 気づかなかったわ…大人びてるもの」 俺の鞄を見られる。 学校指定のものだからすぐにわかってしまう。 「聖凌(セイリョウ)の学生がこんなこと…いいのかしら…? 賢くてお金持ちの高校のでしょう?」 挑発するように笑う女。 やっぱりウンザリ。 「賢いから、金持ちだから…って関係はないから」 服の乱れを直し、鞄を持ち部屋を出た。
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